市立小樽美術館 市立小樽美術館協力会

KANCHOの部屋

『抽象と具象』の世界展

keiji-tt-28[1] 当美術館の企画による特別展「高橋好子/冨澤謙展」が7月28日のオープニングセレモニーで開幕した。小樽の夏の一大イベント「潮まつり」中日のこの日朝はあいにくの雨模様となったが、開幕式には高橋、冨澤両画家をはじめ小樽市教委、北海道新聞小樽支社など関係機関のほか美術愛好者らほぼ80人が出席、同特別展のスタートを祝福した。

 この特別展は昨年から当美術館が取り組む「小樽美術家の現在」第2弾。小樽在住の現役作家を取り上げ、その制作の軌跡と近作を陳列、紹介するのが狙いだ。今回は両画家の作品各25点が壁面を飾っている。

 高橋好子は今年80歳の傘寿を迎えた油彩画家。画歴は60年を重ね、具象-非具象-抽象画という特異な道keiji-tt-1[1]のりを刻んできた。人間の生死に寄せる関心は古寺・古仏を訪ねる仏教への帰依、さらには「空」をテーマとする制作に向かう。これらの作品群は、洋画のジャンルにありながら“東洋の精神”を感じさせる。

 冨澤謙は小樽出身の画家の伝統ともいえる油彩風景画を追い続けてきた一人である。小樽港、運河、祝津、街並みなどを画題に100号の大作が並んだ。確かなデッサン力に裏打ちされた画面は豊かな色彩感にあふれ、ヨーロッパはイタリア、シチリアなど地中海へとロマンは広がって今年73歳という年齢を感じさせない。

 ともに小樽に生まれ育ち、keiji-tt-2[1]教職の道を勤め上げた両画家の制作意欲は衰えを知らない。見ごたえのある展覧会になったと自負している。 なお、中村善策記念ホール(1階)は、「中村善策の軌跡 素描・パステルの魅力とともに」と銘打ち、油彩17点のほか素描・パステル21点を展示している。

▲pagetop