市立小樽美術館 市立小樽美術館協力会

KANCHOの部屋

「高木陽春×小樽」展オープン

 本日、「高木陽春×小樽」展がオープンしました。高木陽春(ひはる)は1985年大阪生まれのフォトグラファー。岡田久仁子、立木義浩に師事したのち、2022年に独立し、現在は東京で活動しています。

 初めて小樽を訪れたのは一昨年の夏のこと。それ以降、繰り返し小樽を訪れ、シャッターを切り続けました。「北海道の一地方都市でありながら、北海道ではないような異空な世界」「街がミニマムに形成されていて、そこから宇宙が広がっている」印象を受けたと語っています。

 高木の目を捉えたのは運河やレトロな建築、ガラスといった小樽を象徴的に表すモチーフではありませんでした。写真に映し出されたのはそこで暮らす人々の姿、なんでもない店先のたたずまい、生き物たちの表情、そして海や岩といった自然の様相。タイトルがなかったら小樽だとわからないかもしれません。

 それでもそこにはたしかに小樽らしさが息づいています。それは高木がひたすら自らの足で歩き、身体で感じ取った小樽の「肌ざわり」のようなものが表現されているからなのかもしれません。

 中村善策記念ホールで開催される本展は、善策が描いた小樽風景とのコラボ展です。善策もまた現場主義を貫き、そこで受ける感覚を何より大切にしました。目だけでなく体感を通して生み出されたそれぞれの「小樽」をぜひご堪能ください。

 

 

苫名 真

 

 

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