「淺原千代治展」オープン
日本を代表するガラス作家の一人であり、小樽の文化・観光振興における功労者でもある淺原千代治の展覧会が本日オープンしました。大阪のガラス製造会社の長男として生まれた淺原が仲間とともに小樽に移り住んだのは1979年のこと。「ザ・グラス・スタジオ イン オタル」を設立し、1986年には天狗山麓へ工房を新築移転しています。
小樽の皆さんなら一度は訪れたことがあると思いますが、多角形のユニークな建物に入ると吹き抜けの2階回廊から制作の様子をつぶさに見ることができます。そこには吹きガラスならではのダイナミックな工程を来館者に知ってほしいという淺原の強い思いが込められているのです。
観客を大切にする開放的な姿勢はガラスによる街の活性化につながりました。㈱北一硝子が堺町通の歴史的建造物を再活用して展開したガラスショップ群との相乗効果も生まれ、やがて「ガラスの街・小樽」というイメージが全国に浸透していったのです。
小樽美術館では初めてとなる今回の個展では、小樽に来る前の貴重な作品をはじめ、吹きガラスの流動性と小樽の風土を感じさせる伸びやかなオブジェ、日本の伝統的な美意識を込めた「源氏物語」シリーズなど50年に及ぶ制作活動の足跡をご覧いただけます。この機会をお見逃しなく。
苫名 真